筑摩書房

ある漂流者のはなし (ちくまプリマー新書(014))

ある漂流者のはなし (ちくまプリマー新書(014))

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おすすめ度 :おすすめ度:3.5

吉岡 忍

種類 : 新書

高さ : 55hundredths-inches

4480687149

筑摩書房

長さ : 677hundredths-inches

ページ数 : 174 ページ

発行日 : 2005-06-06

出版社 : 筑摩書房

発売元 : 筑摩書房

重量 : 44hundredths-pounds

幅 : 425hundredths-inches

発送可能時期 : 在庫あり。

価格 : 798円(税込)ショッピングカートに入れる


ある漂流者のはなし (ちくまプリマー新書(014)) 購入者のレビュー

おすすめ度:3

非常に興味深いテーマです。

死との恐怖や生存するための戦いというものを考えさせられます。
ただ著者の記述が多少淡白でたとえば
「世界を見てしまった男たち」(ちくま文庫)のよう
に詳細な考察があればと思いました。さまざまな書き手による
記述を読んでみたい本です。


人間なかなか死なないものだ。おすすめ度:4

 2001年の夏、長崎から黒潮に乗って千葉県銚子市犬吠埼東沖800KM付近まで、小さな漁船で流され救助された50歳の武智氏の漂流記。

 結果論だが、エンジントラブルで一夜を明かした時に、携帯電話で救助を求めれば、繁栄丸も失わずに済んだし、何よりあのような過酷な37日間を過ごさずなくともよかったのにと残念に思う。
 助かったから良いようなものの、漁協でも高齢の猟師さんたちに緊急連絡手段としての携帯電話の利用法を伝えておくべきだろう。

 驚いたのは、漂流し始めに何隻も出会った大型船舶。
 数発の発煙信号灯が見えぬはずがないのだが、運行スケジュールを守らないと損害賠償を支払わねばならないからなのか、全てが無視して通り過ぎて行ったという事。
 海保に無線を飛ばせば、その船も海保・海自が来るまで停泊しなければならないのだが、何とも情けない、と嘆いてしまった。

 結局マグロ延縄漁船に助けられるのだが、その直前に巻き込まれた台風も時化ただけで、漂流中雨が1回しか降らない中、ジリジリと生の灯が太陽と時間によって奪われていく様は、突発的な恐ろしさこそないものの、淡々と、水も食料もなくなれば人はこうして死んでいくのだと想像させる。

 本書は、決して刺激的な読み物ではないが、自分が苦しい時に思い出したい本の1冊になった。


”私はここにいる”という本能おすすめ度:3

まず、個人的にノンフィクションの話としては、★5つの内容だと思います。
ただ、作家自身の”感情”がノンフィクションの物語として大事なところで強調され、
作品としては凡作になっていると感じます。 よって、★3つです。
私には、その辺が気になりました。 この作者は私小説のほうが向いてるんじゃないかな?

それよりも、この本を読んで印象的だったのは、
いわゆる三大欲(本能)と同等のものとしての
”私はここにいる”という欲(本能?)が
あるのでは、ということでした。

他の方と感じ方が違うのかもしれませんが、
既に、死を覚悟した
(というか、あまりにクールに受け止めるしかない)
主人公が”住所、船名、名前”を記載したものを
他の船に発見されたときに見せた下りで、何か分からない涙が溢れました。
私自身、それがなんなのか、いっとき分からなかったのですが、
それは”私はここにいる”とか”私です”という究極の”生きている”というメッセージとして
受け止めたんだということ、だったようです。

僕は、この主人公である漂流者とその漂流自身に非常に興味があります。
主人公の方は、この事を講演とかで話したりしているようなので、
できれば(無理でしょうけど)、主人公本人による執筆(プラス編集者の補完)の
漂流記を読んでみたい、と思いました。


確かに忘れていたし、何もしらなかった。おすすめ度:4

37日ものあいだたった一人で海を漂流した、武智さんのはなし。
著者が察するとおり、読者である私は彼の存在を忘れていました。
毎日流れてくるニュースに揉まれて、記憶のかなたへと行っていました。
ああ、そういうこともあったなと。

37日間も生き延びた!!というセンセーショナルな事実は
漂流した結果。
初め積んでいた食料や水を飲み食いして過ごしていたが、
なくなると、魚を釣ったり、海水を沸かして蓋についた水を舐め、
最後には自分の尿を飲んだ。
という一文の行間にあるものを埋めています。
吉岡氏の飾らない豊かな表現力で武智さんの人格や、漂流中の
様子が伝わってきます。

水があると思うと、食料があると思うと色々考えてしまうから、
思い切って飲み干した、思い切って釣った魚を捨てた。
という件は、何かわかるような気がした。

この本を読んで、自分が知っているつもりになっていることが
何と多いのだろうかと改めて思う。